4人が本棚に入れています
本棚に追加
「誰も切ってないさ…刺しはしたがな」
「!誰を何処で刺した?」
「外の入口辺りで後から来た黒いスーツの男。そいつが盗聴機を持ってたからな」
その言葉にあたしは動いた。
『Rook、Knightに至急ここに来る様に伝えて!家のPawnがやられてる。あたしとMasterは今動けないからGPSを調べてPawnをすぐに回収して!後、皇にも連絡をするように』
「分かった。5分で行かせるようにするわ」
Kingはそのまま尋問を続ける。
「刺した奴は今どこにいる?」
「家の組織の人間が連れて行った。何処に行ったかは教えねぇよ」
『奴等の企みは何だ?』
「魁璃が言ってたな。「『Silver Pisces』が出来なかった事は家の組織が成しうる。内部から破壊して行けば総ては巧く行く。『Black Gemini』には悪夢を見せればいい…」それが魁璃の策略だ」
「随分と甘く見られたものだな…紫苑、もう『壊して』いいぞ」
Kingの最後通告にあたしは翔を強く睨み付ける。目が虚ろになり始めた翔に近づき、小型の盗聴機を付けると耳元で言葉を囁く。
『さて、お前にはやってもらう事がある。まずは『Aqua Virgo』の水蓮に連絡をして「『Black Gemini』が動いた。女王蜂を殺して水蓮様の動きを把握しているらしい。今日潜り込んだ「Kraken」にもすでに手が入ってる。俺の正体もばれた…今から戻る」と伝えな。
帰ったらお前は水蓮にこの針を刺すんだ。奴が欲しがっていた毒だからね。それが終わったらこの錠剤を飲む。それでFinaleだ…
要の事は安心していいよ。ちゃんと面倒を見るからね。あたしが手を叩いたら、今までの事は忘れる。でも既にあんたの精神はあたしが支配してる事は忘れないでね…』
最初のコメントを投稿しよう!