「紫苑」による『精神操作』

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「誰も切ってないさ…刺しはしたがな」 「!誰を何処で刺した?」 「外の入口辺りで後から来た黒いスーツの男。そいつが盗聴機を持ってたからな」 その言葉にあたしは動いた。 『Rook、Knightに至急ここに来る様に伝えて!家のPawnがやられてる。あたしとMasterは今動けないからGPSを調べてPawnをすぐに回収して!後、皇にも連絡をするように』 「分かった。5分で行かせるようにするわ」 Kingはそのまま尋問を続ける。 「刺した奴は今どこにいる?」 「家の組織の人間が連れて行った。何処に行ったかは教えねぇよ」 『奴等の企みは何だ?』 「魁璃が言ってたな。「『Silver Pisces』が出来なかった事は家の組織が成しうる。内部から破壊して行けば総ては巧く行く。『Black Gemini』には悪夢を見せればいい…」それが魁璃の策略だ」 「随分と甘く見られたものだな…紫苑、もう『壊して』いいぞ」 Kingの最後通告にあたしは翔を強く睨み付ける。目が虚ろになり始めた翔に近づき、小型の盗聴機を付けると耳元で言葉を囁く。 『さて、お前にはやってもらう事がある。まずは『Aqua Virgo』の水蓮に連絡をして「『Black Gemini』が動いた。女王蜂を殺して水蓮様の動きを把握しているらしい。今日潜り込んだ「Kraken」にもすでに手が入ってる。俺の正体もばれた…今から戻る」と伝えな。 帰ったらお前は水蓮にこの針を刺すんだ。奴が欲しがっていた毒だからね。それが終わったらこの錠剤を飲む。それでFinaleだ… 要の事は安心していいよ。ちゃんと面倒を見るからね。あたしが手を叩いたら、今までの事は忘れる。でも既にあんたの精神はあたしが支配してる事は忘れないでね…』
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