『精神操作』の被害者は「水の乙女」

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『精神操作』の被害者は「水の乙女」

VIPルームに集まったメンバーは、テーブルに置いた盗聴器を見つめている。Knightが新しい物を用意しており、机の上に置いた。 「これでは大きさに問題がありそうですね…Rook様から小型の物を預かって来ました」 「それにしても、家のPawnを刺してまでこいつを破壊するとは…まさか内装の段階から入り込んでいたか?」 『その可能性はあるかもね。それにしても『Aqua Virgo』は何を企んでいるんだ?家を潰すための覇権争いって…』 「全くもって穏やかじゃないな。しかも水蓮が水面下とはいえこんな近くで動いていたとは…」 「King様、蒼焔様、総ては私の落ち度が原因…本当に申し訳ありません」 『皇だけじゃなくQueenにも責任はあるな。あいつ何やってんだよ…』 あたしは頭を抱える。帰ったらQueenにも事情を聞かないといけない。そんな事を思っている横でKingが一言呟く。 「ところで、奴にやられたPawnは大丈夫か?」 「はい。幸いにも大腿を刺されただけで、命に別状はないとの報告です。ただ…」 『どうした?何か問題があるのか?』 「Pawnには防刃ベストを着せてあるのですが、ベストでは防げない太腿を刺されていました。相手はベストの件を知っていたようです」 「皇、もしかしてこの店に在籍予定の男性従業員に防刃ベストを着せていたのか?」 「ええ。「Scylla」の一件がありましたからQueen様と相談をしてRook様に用意をしていただいたのですが…」 『まさか、こっちの話が盗聴されていた?』 「それはあり得ません!盗聴器はどこにも存在していないのですから…」 「それはどうだろうな…あの「鼠」が持っていた可能性もある」 その言葉にあたしは破壊された盗聴器を見つめるが違和感を感じた。何故か5つあるのだ。よく見ると1つだけ回路が違った… 写真を撮るとRookに送り、Bluetoothで話をする。 『Rook、この盗聴器なんだけど…おかしい』 「蒼焔?盗聴器がおかしいってどういう事よ…」 『その写真よく見てよ。Rookが用意してくれた数よりも1つ多い。たぶんあの「鼠」が紛れ込ませたんだよ』 「蒼焔、数が違うだと?どういう事だ?」
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