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Kingに言われて、あたしは破壊された盗聴器を並べる。幸いにも5つとも基盤は綺麗に残っていた。基盤を取り出すと、1つづつ並べていく。そして、一番右に置いた基盤を指さして言う。
『これが違うんだ。たぶん周波数の違いがあると思う。Rook、これ見える?』
「ちょっと待って。こっちのカメラでも解析してみる」
「そう言われれば、確かに基盤の色が違うような気もしますね」
「もう少し分かりやすくならないか?」
そう言うKingに、Knightがタブレットを出して写真を撮り比較する。同じ頃、Rookも間違いに気が付いたようだ。
「本当だ…回路が一部分違うわね。しかも使ってるコンデンサが違う」
「コンデンサ…ですか?」
「ああ、この黒と緑の部品の違いか!こんなの普通じゃ分からないぞ?」
『緑のコンデンサは家の物じゃない。これが多分『Aqua Virgo』の仕掛けた盗聴器だ』
「って事は…」
「「Kraken」の内装の時から入り込んでるとしたら、何処に何が配置されるかはすべて把握されてるわね。King様、あと3日でオープンですがどうしますか?」
「このままでいい。Knight、そろそろさっきの盗聴器が反応を始めるんじゃないか?」
「え…King様、翔に盗聴器を仕掛けたのですか?」
皇の驚く言葉を聞きながら、Knightがタブレットを操作すると何やら声が聞こえてきた。
それは紛れもなく、さっきまでここにいた翔の声だった…
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