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「蒼焔、大丈夫か?」
『はい…どうやら勝手に切り替わったようですね。反動が強すぎます…』
「あいつの「仕掛け」は大丈夫なのか?」
『それは問題ないかと。以前の輪廻の件をご存知であれば問題はありません』
「そろそろ水蓮と合流するようですよ」
Knightの言葉に、その場にいた全員がタブレットをに集中する。
車を降りた翔がどこかに入り、中にいた人間と話し始めた。
「翔、さっきの件はどういう事?何で『Black Gemini』が動いてんのよ!
まさかあんた…失敗したんじゃないでしょうね?」
「それはありません。私と『Aqua Virgo』が繋がっているのは気づかれていないはずです。
そう言えば、水蓮様…ちょっとお手をお借りできませんか?」
「何よ急に…翔、どうしたの…っ!な、何してんのよ…え?何…身体が…翔、あんたあたしに何したのよ!」
どうやら翔が水蓮に針を刺したようだ。痛みに手を払った水蓮の声が聞こえ、倒れる音が聞こえた。それと同時に魁璃の声が聞こえてきた。
「何やってるんだお前等…って水蓮?その手、どうした?」
「魁璃、翔が急に針を刺してきて…それから身体が動かないんだよ」
「何だと?翔、お前水蓮に何をした!」
「針を刺したら…錠剤を飲む。それでFinaleを迎えるんだ…?うっ…!」
そう言って翔は錠剤を飲んだようだ。錠剤は致死量の青酸カリだったのだ。
呻き声をあげた翔はそのまま倒れて話声はおろか呼吸音も聞こえなくなった。
水蓮はテトロドトキシンとパリトキシンで身体の麻痺が始まっているようだ。
魁璃は2人を見て戸惑っている様子が聞こえる。
「翔?何を言って…!翔、翔!嘘だろ?何で死んでんだよ…
って言うか水蓮、翔に毒を盛られたんじゃないか?でも何で翔が…」
「翔が死んだのは多分訳の分からない錠剤を飲んだからじゃないの?
さっきの針に毒が仕込んであるなら解毒剤が必要なんだけど、すぐに用意出来るの?」
「症状的に何を使われたのか分かるか?」
「麻痺の進行が早い…まさか輪廻の作った毒?」
「輪廻は葬られたんだろ?死んだ奴の毒を使う奴がいるかよ…
あの薬はそう簡単には作れない代物だぞ?」
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