プロローグ

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コタローくんとの交流は、かなり長い。 2年ほど前、たまたま読んだ彼の作品に感銘を受けて、私がラブコールをしたのが始まりだ。 彼は私の作品も読んでくれて、どうやら気に入ってくれたらしく、それから互いに読み合うのが当たり前になった。 DMで繋がったのも、彼が最初だ。 最初はごくたまにだったメールは少しずつ増えていき、気づけば殆ど毎日の日課になっていた。 メールと言ってもトークアプリと同じ仕様だから、リアルタイムでお喋りをする。 その内容は、お互いの小説の感想だったり、プロットを相談したり、他のクリエイターの作品について語ったり、サイトの愚痴だったり。 最近では小説とは関係のない、世間話もする。 『月さん、鳳山(とりやま)咲久(さく)ってクリエイター知ってます?』 「名前は見かけたことあるよ」 最近私はすっかりタメ口だが、コタローくんはいつも私に敬語を使う。 だから私は勝手に、彼が私よりも少し年下の可愛い男性か、もしくはかなり年上のダンディなオジサマのどちらかだと想像している。 『僕個人の感想だけど、すごくいい作品書くんですよ。オススメです』 「コタローくんが言うなら間違いないね。読んでみようかな」 『ええ、ぜひぜひ』
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