君と君の世界を、

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君と君の世界を、

 カメラは私。  彼女はそう言った。  彼女はなかなか心を開いてくれなかった。その理由がわかった気がした。 「・・・カメラは私。カメラの中にも私がいる」  不思議なことばかり言う彼女の言葉の中でも飛び切り不思議な言葉。彼女の手はカメラと共に震えていた。  異端に思われることを極度に怖がる彼女。  だけど、やっぱりちょっと変わってる。 「私が撮ってって言うから、私は撮る。私は、私のために生きてる・・・」 「・・・それって・・・?」 「・・・私に言われたの。私が死んだら、私も死んじゃうって」 「カメラがそう言ったの?」  にわかには信じがたい不思議な話。だけど彼女は嘘をつかない。  きっと彼女の不思議な世界では、それが常識なんだ。  カメラの中にいるもう一人の君・・・。 「私のおかげで、私は生きられた。私は私の友達で、私は私の恋人だった」 「・・・・・・」 「・・・変だと思ぅ?」  ずっと独りだった彼女。  カメラをまるで自分のように語る。 「私と、私だけの世界を、穢されるのが嫌だったの・・・だけど・・・」  あなたなら・・・と、彼女は言った。  カメラは恋人、か。  うん、
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