私とあなたにとっての邪魔者は、

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そうね,合ってる。いえ、「間違っていない」といった方がいいのかしら。 だって、私の輪郭を、フレームを作り上げているのは、あなたの想像力なのだから。 考えてもみて、「金色に輝く長髪」 これって、多数派で考えると陽の光を反射して輝いているって読み取れるけれど、多数派の意見でしかないのよね。 だって、丁寧に髪のお手入れをしていれば弱い光でも輝くじゃない。街灯、星の光、月の光。 それに陽は陽でも昇陽かしら、それとも洛陽の方がお好みなのかしら。 それと忘れちゃいけないのが、比喩表現ね。 私ほどの人物なら隠し切れないオーラで「まるで輝いている」と言われてもおかしくはないし、あなたがそういう想像をしたのならば、それは私の責任ね。私があまりにも華やかだから後光が差していると、そう考えるのも分かるわ。 でもまさか、ドラゴンボール派はいないわよね。私が気を放って自発的に輝いているなんて想像していないわよね。その場合私、逆立ってないかしら、髪が。あ、でもⅢなら逆立ってないのかもね。 ただ、全部「間違っていない」のよね。 だって、間違いだと指摘するのならば、正解が必要だもの。正解ではないものが間違い。 そして、私は正解を知らないの。自分のことなのにね。でも本当に知らないの。聞かされていないもの、あなたから。 イエハナン?そんな奴はどうでもいいの。 そうよどうでもいいの、作家の言葉なんて。 作家の作ったものが正解だとするならば、それは、あなたに「なにも想像するな」と言っているのと同じ。 だってあなた、私の言葉を聞くことで想像を膨らませてきたのよ。だから自信を持って私のことを考えて。 たとえば、髪が長いといっても、あなたにとってどのくらいが長いの。
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