ヴェアを待つ。

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「さぁ、到着だ! 存分に草を食べたまえ」 公園につくと、まずはヴェアをエサ場である草の上に放ち、河内さんは東屋のベンチに腰掛けました。 真夏の太陽が照りつけるこの日は、関東でも最高気温35度を超えるという『殺人的な猛暑日』でした。こんな日に、公園にやって来る猛者などいません。 河内さんは、ぽつねんと東屋の中から草を食むヴェアの様子を眺めていました。 日差しが遮られるこの東屋は、ときおり爽やかな夏の風を感じることができます。 猛暑を忘れるほど、気持ちの良い憩いのベンチです。 一方、太陽の日差しを浴びているヴェアの甲羅は、ギラギラと眩しいほどです。 あっという間に沸騰しそうなほど熱くなり、さすがのアフリカ出身のリクガメも30分ほど草を食べると、日陰に入って休憩します。 このタイミングを見計らって、河内さんはヴェアの甲羅に水をかけてやります。ヴェアは甲羅がさめると、また草を食べ始めます。 これを何回か繰り返すと、今度は何かを探すようにウロウロし始めます。これは寝床を探しているのです。 お腹が空いたー食べる お腹がいっぱいー寝る リクガメって、本当にシンプルな生き物だなぁ。と河内さんはしみじみ思うのでした。
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