ヴェアを待つ。

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さて、お腹がいっぱいになったヴェアは、この日もウロウロし始めました。 ヴェアの公園での寝床は、大きなツツジの根元です。 いい具合にすっぽり体を収めることができるような空間があるのです。 まるで駐車場に入るように、ヴェアがそこに入るのを見届けると、河内さんは時間を確認しました。 14時。 太陽はまだ真上。気温は36度もあります。 河内さんは鞄から文庫本を取りだしました。 どうぜヴェアは昼寝を始めてしまったし、読書でもしてもう少し涼しくなってから帰ろう、そう河内さんは考えたのでした。 ~~~ 15時。 「さて、そろそろ帰ろうか・・」 河内さんがツツジの根元を覗くと・・・ ヴェアの姿はありませんでした。 根元の寝床は、空っぽだったのです・・・
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