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とりあえず、その場では黙っていたけれど。
もう部活は辞めようと決めていた。
暗室にはかなり私物を持ち込んでたから。数回に分けて持ち帰ろうと準備はじめる。
他のやつらは、亜香里ちゃんと一緒に。もう部室代わりの化学室を出て行ったみたいだ。・・・生物室使ってないところがうちの部活のいい加減さを表してるんだけど、暗室に仕える準備室は化学室にしかないんだよね。
「やってらんない」
つい口をついて出る。
と。
「すみません」と声がした。
振り向くと佐竹くん。まだ居たの?「あいつ、昔からドジで。悪気はないんだけど」
その台詞に。
お前、小さいころから見ててわかんないのかよ!ってまた頭にくる。
あの女が暗室を開けたのは。
昨日先輩が部活に顔出して。私の写真を褒めて行ったからだ。
あきらかにわざとだ。
でも、言わない。・・・男なんて馬鹿ばかりだ。
「あなたには関係ないわ」なるべく優し気にそう言うと、また片づけを始める。
ふつふつと怒りがわいてくる。
覚えてろ。私はこれ以上ないくらい切れると黙るんだ。
そのうち必ず仕返ししてやる。
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