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女子高生にかもうて(かまって)もろてた
冬馬が走ってきて
「今晩はサンタの日やで、お姉ちゃんは
どうするの?約束ないならウチで
カラオケする?」
天性の女好きなんか別嬪好きなんか
気軽に誘う。
「そうやね、寄せてもらおかな?
おうちは宗右衛門町やろ?」
気軽にノってくるけどなんでウチが
宗右衛門町やと知ってるんやと
聞かず仕舞いで三人で帰宅。
「いらっしゃ~い・・・って・・・
エラい御無沙汰さんのお客様やなあ」
「覚えて戴いてて嬉しいわあ!
もう20年くらい前やのに」
「忘れるわけないわ、こんな別嬪さん」
オカンと上嶋先生の挨拶・・・
(なんや?!なんで顔見知り?!)
こっちの疑問を余所にいっぱい人が来て
パーティー開始。
オカンはお酒が入ると、
「この子の父親、賢かったんや」
“瞼の父”と俺の自慢、止めてくれと思うてると続くは『後家殺しィ』の大合唱・・・上嶋先生まで大合唱・・・勘弁してやと思いつつも、顔が壊れんちゃうかというくらい笑うてる彼女を見ているのは、なんていうか小さい時分に好きな女の子を見つめたときのように甘い心地やった。
0時を過ぎて二階で子供達が寝ても宴会は止まず。明日も講演がある上嶋先生を難波の駅側のホテルまで送るのに御堂筋を歩いた。
「せや、なんでウチの店に来たこと、
あるんですか?」
「やっぱり覚えてはれへんわ、フフフ」
(フフフやないで、まさかどっかで
ナンパしてもたんか)
俺の不安顔を笑いながら
「高三の時、学年上の先輩に誘われて
京大の学生さん達とコンパ」
「ああ、それでか!?」
数十回におよぶコンパの幾つかの二次三次会にオカンの店を利用。
「家に居てもツマラないから誘われるまま
コンパへ寄せてもらって、
あんまり楽しいからつい帰るのが
朝になって・・・」
「父上は激怒しはったでしょう?」
上嶋先生は首を横に振った。
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