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2.Waiting for…Mary
ステージに立つ彼とは一味も二味も違う彼と、面と向かって話す掛けがえのない時間──。
それは真理子にとって、ライブハウスの照明とは違うキラキラとした輝きに満ちた、格別な時間なのだろう。
しかし、そんな“出待ち女”を待つ者が一人。
“出待ち女”もまた人を待たせる存在であることを、忘れてもらっては困る。
「お母さん」
“Rhye-ライ-”が去った後も興奮冷めやらぬ様子で火照った頬を両手で包む真理子に、私はぬっと近づいた。
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