2.Waiting for…Mary

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「あら、七海(ななみ)。こんなとこまで来て、どうしたの?」  真理子は悪びれもなく、きょとんとした目を私に向ける。 「てゆーか、あれ?じじばばは?」 「二人とも町内会の集まりで出かけるって言ってたじゃん」 「あ、そうだったっけ?ごめんごめん」 「……まぁ別にいいけど。ご飯も食べたし」  年甲斐もなくテヘペロ笑いをするこの人に、すっかり忘れてんなーと思いながら私は肩でため息をついた。  この人がライブに行く日は、いつも私をじじばばにきちんと預けてから行っている。  母方の祖父母で、家も近所だ。  おばあちゃんの作った夜ご飯を食べて、そのままおばあちゃん家に寝泊まりして翌朝学校に向かう。  だけど今日は、祖父母が町内会の会合──要はお年寄りの飲み会──のために夜遅くに出かけたので、なんとなく──。 「だから私も今日は家に帰ろうかなって」  このまま家に帰っても特にすることがないので、なんとなくライブハウスまで足を運んだのだ。
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