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「マリーはさ、いつまでこんなこと続けるの?」
疑問に感じるとしたら、それだった。
年を考えろ、とまでは言いたくないけど。
ただ、こんな“出待ち”に何の意味があるのかとは思う。
だけどこの人は──自称マリーは、まるで恋する乙女と菩薩のような優しさの混在した笑顔を浮かべて、こう答えるのだ。
「ずっとよ。ずーっと。“Rhye-ライ-”が音楽を続けてる限り、ずーっと。その方が彼にも箔が付くじゃない」
「…………」
夢と浪漫の溢れるこの表情を見ると、これ以上何も言えなくなる。
かと言って、肯定するのも憚られるような複雑な心境。
だってほら、私今中学1年生だし。
親のあれこれが嫌に目についたり、疑問に感じちゃう年頃なのよ。
それは許してね、マリー。
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