あなたは僕に死ねとおっしゃるのか。

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―――――― 混濁した意識の中、俺はまたもや闇の部屋に降りたっていた。 「つーか来んの早くねぇか!?おいごらぁ!!」 「はい、すいません。本当に、その事に関しては言い訳のしようもないくらいでして……」 「だ~!!俺こないだ言ったよなぁ!もう来んなよって、なぁ!?」 「はい、あの、その、生命の危機にですね……」 「だからさ、早くねぇかって聞いてんじゃん!!」 死神はどこから用意したのか、机をばんばん叩きながらまくし立てた。 「まあ人生に一度や二度のピンチはあってもいいよ。ヤバイときもあるだろうさ。それが何?1日で二回死にかけんの!?お前そんなことしてるといくら俺だってなぁ……」 再びこの漆黒の空間を訪れた俺は、死神に説教をくらっていた。 まさか死神に生命の尊さとはなんたるかを説かれるとは夢にも思わなかった。 いや、これは夢だからどうなんだか。 「ふん、だからさ、人生ってのはこのオセロと同じなんだよ、結局はな。」 しばらくの間思考回路の稼働を停止していた俺は、気が付くと死神と一緒にオセロゲームに興じていた。 「自分が相手のコマをこうひっくり返すだろ?そうすると表面的には俺が優勢だ。そうだろう?しかしお前が次のターンに俺のコマをひっくり返すと、今度はお前の方が優勢って事だ。」 死神は一人でオセロのコマをひっくり返している。 「は、はぁ……」 「だからな、要するに俺がお前に言ってやりたいのはだなぁ、……おい、てめぇ!聞いてんのかこらぁ!!」 …エッ……何?何? 死神は軽く舌打ちすると、俺に向かって最後の一言を発した。 「ふん、まぁいい、お前近々さらなる危機を味わうだろうからな、その時になってせいぜい後悔してろよ。あの時俺の忠告に従っていればよかったなぁ、ってな!」 「…なっ……」 「……あばよ。」 ――――― 「トマル君はおきなさぁい!!」 「う、うわぁぁぁ!!」 カロン先生の必殺ジャンプかかと落としを、俺が紙一重で避けたのは奇跡だった。 死神さん、さらなる危機ってこの事ですか?
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