転校生って、どんだけ肩身狭いんですか!!

2/15
前へ
/92ページ
次へ
春っていいよねぇ。 俺はこの季節が大好きだよ。 それは勿論、別れの季節であり出会いの季節でもある。 変化の季節という訳だ。 俺は親父と二人暮らしである。昔は母親も一緒に暮らしていたが、いかんせん、人生とは厳しいもので、俺が小学校に上がる前には既に他界していた。 俺の親父は、まぁ家事を全くしないクセに俺の作った飯にいちゃもんをつけるというクソ親父ではあるが、俺の事を可愛がってくれたし、これからもそうだろう。 そんな訳で、親父の仕事の都合で田舎から都会に引っ越して、新しい学校に通うことになったときも、俺は反対なんてしなかったし、親父を憎いとも思わなかった。 だって仕事の都合なんだから、俺は親父に付いていくのは当然だろ? しかし人の心は秋の天気の様に虚ろい安いと言うように、俺は今となっては本気で親父が憎いし、田舎に残って隣のばぁちゃんとやす子姉の家に転がり込んでいれば良かったと後悔しない日は無い。 まず名前がおかしかった、奇妙だった。ていうかむしろ親父から転校先の学校名を聞いた時点で即座に宣戦布告してれば良かった。本気でそう思う。 だって、この春から俺が通うことになった学校には、俺が何度胃が千切れるかと思うくらいの数々の試練が待ち受けていたんだから。 その名も白竜学園。そして俺は当日、学園に到着するまで知らなかった事だが、普通科以外の学科もあるんだね、商業とか音楽とかね… 魔法科って何だよっ!!?
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

73人が本棚に入れています
本棚に追加