転校生って、どんだけ肩身狭いんですか!!

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「あなた、先生だったんですか……」 「その通りだよ。敬いたまえ。そうだね、君はここの生徒なのかな?」 先程俺の命を救ってくれた蒼い髪の少女は、手に濡れたタオルと水の入った桶を持っていた。 きっと俺のことを看病してくれていたのだろう。 しかしあの時、俺は一体全体どうしてあんなに飛んだのだろうか。 ただ殴られただけにしては少々飛びすぎなような気がする。 それとも、俺の想像力を軽く上回る手品みたいな手法であれをやったとでもいうのだろうか。 それにしても“桶”って…… ちゃんと持つ部分がついている、江戸時代からそのまま持ってきたような、檜(ひのき)製の桶である。 随分と和風だなぁ… 「あ、はい、ここは白竜学園ですよね。俺、今日からこの学校に転校してくることになってるんです。生徒手帳あります。」 そして俺は胸ポケットから、赤い生徒手帳を取りだした。
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