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「1970年代にデニス・レイダーというシリアルキラーが10人を殺害。電話線を切り自宅に侵入すると、絞殺後に『記念品』を持ち帰るんです。縛って犯したりするのが犯行の手口で、地元メディアに送った手紙の中で自らの事をBTKキラーと名乗っています」
一気に会議室の空気が重くなると、本田が初めて態勢を変え、組んでいた腕を解いた。
「切り裂きジャックくらいなら分かるんだが…随分日本も進化したもんだな」
「ええ…悪い意味で」
冗談を言った様子もなく緒方がサラッとそんな事を言うと、再び沈黙が訪れる。
その空気に耐えきれなくなるのはいつだって五十嵐なのだが。
「で…これらの事件と今回の事件…関係性はあるんでしょうか?」
おそるおそる訊いた五十嵐に緒方は視線を向けるが、すぐさま肩をすくめた。
「何とも言えないね」
本当に軽いノリで仕事を放棄した。
しかし、その傍らで野本が真剣な表情で何かを考えている。
「中津明美はこれらの事件の犯人が同一犯だと考えていたんでしょうか?」
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