TABOO

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「だとしたら…中津明美を殺害したのは…連続殺人犯?」 五十嵐が言うと、緒方も頷いた。 「可能性はあるかもね。もしかしたら中津さんは犯人に近付きすぎたのかもしれない。でも…どうやってこれらの事件を関連付けたんだろうねぇ……」 「どちらにせよ、今回の事件はこのスクラップファイルがヒントになりそうだな……」 そうつぶやいた本田が立ち上がると、緒方に視線を向けた。 「緒方は犯人のプロファイルを頼む。お前の得意分野だろ?それから、その…シリアルキラーに関する資料を送れ。残りのメンバーはとりあえず全ての事件の聞き込みだ」 それだけ言い残して出て行った本田の後姿を見送りながら緒方は頬を膨らませる。 「僕が資料送ったって見ないくせに」 「まあまあ。もしも海外のシリアルキラーの手口を真似てるとしたら、今回は緒方さんの出番だと思いますよ」 五十嵐が何とか盛り上げようとするが、緒方は不満げだ。 「どちらにしても、まともな人間のやる事じゃないよ」 その言葉には、五十嵐も野本も共感していたーーー。
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