いつのまに

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それから沈黙のままナビの通り車を走らせたが、目的地にはなぜか、ごく普通の居酒屋があった。 競争の激しい町だ。 客の入らない店は潰れるのが当然。 「どこで聞き込みします?」 五十嵐が野本の方を見ると、野本は資料をめくりながら小さなあくびをする。 「とりあえず…被害者の家族に会ってみましょうか」 そう言ったかと思うとまた大きな欠伸をしながら資料を閉じるから、五十嵐は目を細める。 「寝てないんですか?」 再び車を走らせながら訊くと、野本はふっと笑った。 「今、海外ドラマにハマってるんですよ。一日中家にいても苦じゃないくらい夢中で見てて」 「ああ…もしかして24シリーズですか?」 「それ…昔、流行りましたね。私は見た事ないんですけど」 「俺も見た事ないですけど……。ちなみにハマってるのってなんですか?折原の好みですか?」
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