最後の制裁

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こういう何考えてるのか分からない緒方の行動が、五十嵐は案外好きだったりする。 自分がどんなに緊張していても、緒方ののほほんとした空気に助けられたりもしてきた。 しかし、緒方の場合、ただのほほんとしているわけでもない。 「ちょっと行ってくるわ」と、後部座席に乗せていたカバンの中からマフラーと手袋を取り出すと、狭い助手席でそれらを身に着け始めた。 「え…どこ行くんですか?」 五十嵐の質問に、緒方はニカッと笑顔を向けるだけで車から降りて行った。 「ホント…何考えてるか分かんないな、あの人……」
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