516人が本棚に入れています
本棚に追加
車に戻った彩香はため息を吐き、黒崎は携帯でどこかに連絡を取り始めた。
おそらく電話の相手は野本か五十嵐か緒方だろう。
「詐欺だ。間違いない」
黒崎はそんなやり取りをしていた。
彩香はモヤモヤとした胸の内を探りながら、目を閉じる。
ドラマを模倣し、人を殺した伊織。
しかし、その殺人には意味があった。
この土壇場で自ら詐欺師となり、詐欺集団を撲滅するとすれば……。
その先にある答えはひとつしかない。
最初のコメントを投稿しよう!