偽物

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休日、彩香と野本はクリミナルマインドを見ながら過ごしていた。 「サイコパスって…こんなにいるもんかな?」 野本の質問に、彩香は首を傾げる。 「まあ、BAUは特殊な事件を取り扱う部署ですからね。そういう事件ばかりが回されるんじゃないですか?」 「…エリアも広いし、いろんな殺人鬼がいてもおかしくないのかな」 そう言いながら、浮かない表情で彩香の膝に頭を乗せて寝っ転がる。 当たり前のようにその髪を撫でながら、彩香はまたテレビを見始めた。 人間は昔から殺し合ってきた。 戦争やテロ、小さなケンカからの殺人……。誰が人を殺したっておかしくない世の中。
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