TABOO

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「これ、タイトルなんだっけ?」 予告を早送りで飛ばしながら、野本は彩香の額に頬擦りする。 「クリミナルマインドですよ。FBIの行動分析課っていう部署のお話です」 「それって…犯罪心理学を活用して犯人を推理したり、次の行動を分析したりする?」 「そうです。あ…でも、私…別にこういうエグいのが好きなわけじゃなくて…なんていうか……」 何か言い訳するように説明を始めたが、彩香がこういった物に興味を持つ理由が分からないわけでもなかった。 「気になるんでしょ?この人はどうして人を殺したんだろう…とか」 野本がそう訊くと、彩香は小さく頷きながら安心したように胸にもたれかかる。 「なんでだろ……」 ぼそっとつぶやいた彩香の言葉に耳を傾けるように顔を覗き込むと、 「純一さんと一緒にいると安心して身体の力が抜けるんです……」 特にこうやってソファに座って寄り添っている時が一番リラックスできると言う。 ベッドで一緒に寝るのは嫌がるのに、こういう時だけ甘えてくるのだから、ズルいと思う。 それでも拒絶されるよりはマシなのだろう…と、言い聞かせている部分もあるのだが。
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