雪山の記憶

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職場の仲間と訪れたスキー場。 生憎の悪天候だったが、折角来たのだからリフトが止まるまで滑ろうか、ということになり、先程まで楽しんでいたという訳だ。 途中までは、それなりに楽しめていた。 吹雪いてはいたが、視界が失われることは無かった。 状況が一変したのは、昼過ぎだった。 昼食をとっている最中に、徐々に雲行きが怪しくなってきたのだ。 「食べたら撤収だな」 仲間の一人が呟いた言葉に、全員が賛同した。 「じゃあ、俺はもう一本だけ行ってくるよ」 仲間の制止も聞かず、俺は、今にも止まりそうなリフトに一人、乗り込んだのだ。
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