雪山の記憶

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気がつくと、辺りは真っ白。息も出来ない程の世界に、俺はいた。 これが噂のホワイトアウトか……。 などと感心している場合ではない。どうにかして、滑走エリアに戻らなければ。 俺は、先程滑り落ちてきた場所を再び登ろうと試みた。 だが、一瞬でその希望の光は消えた。 完全に方角を見失ったのだ。 ここは、闇雲に進んでも仕方がない。 少し落ち着くまで、動かずに様子を見ることにしよう。 俺は体育座りをすると、ウェアのフードを両手でしっかり押さえ、膝と腹の間に顔を埋めた。
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