4人が本棚に入れています
本棚に追加
六畳程の小屋の中は、陽の光が殆ど届かず、半分が闇に包まれていた。
長年使われていないのか、隅の方に農機具らしき物が固まって置いてある他は、何も無い。
期待を大きく裏切られた俺は、がっくり項垂れると、その場に座り込んでしまった。
「あのぉ……」
何処からともなく届いてきたか細い声に、飛び上がらんばかりに驚いた俺は、キョロキョロ辺りを見回した。
「すみません」
衣擦れの音と共に闇の中から現れたのは、若い女だった。小上がりに、ちょこんと腰掛けている。
最初のコメントを投稿しよう!