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「ああ……。びっくりした。ずっといました?」
「ええ。そこに」
女の指差す方を見ると、そこは、光の届かない闇の中だった。
「スキーをしていたら、ホワイトアウトに巻き込まれてしまって……。寒いので、隅の方で丸くなっていました」
「そっか。俺と一緒だ」
奇遇だね、と言いながら小上がりに腰掛けると、ふふっと微かに笑い声が聞こえた。
「ごめんなさい。不謹慎ですよね」
慌てて口を塞ぐと、女は上目遣いに俺を見上げた。
暗くてよくわからないが、年の頃は二十歳前後だろうか? なんとなく、可愛らしい感じのする女だ。
俺の中の男の部分が、少しだけ、首をもたげた。
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