2人が本棚に入れています
本棚に追加
烏の羽を見た記憶が鮮明に残っている。
鋭い黒目と同色の羽はとても美しくなめらかで、雨露に濡れた様など完成された美術作品のようにも思えた。
美術は専門ではないが、天為的自然に生きるワンシーンも人が作り出したものも両方それぞれ良いところがあり美しいと感じる。
だが、人の手によってでも故意に作られたものは、美術作品ではなくただの製品でしかない。
だから整えられてしまった、愛する人の髪など見たくもなかった。
もう随分と硬くなってしまった白髪を一房手に取る。
時間はあなたを天使にしてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!