3人が本棚に入れています
本棚に追加
勇者が皇子も婚約し、平和を約束された国
【帝国グランファリア】
確かに美しく争うの無い平和な国である
シロ
「胸くそ悪いぜ」
シロ・ローゲルはそんな帝国の裏路地を歩いていた
歩く度に足元の瓦礫が音を鳴り響く
そして眼下に見えるは餓死した人の骸に群がるネズミやカラスども…………
シロはそんな風景を横目に歩きながら目的の場所に向かっていた
そして壁が行き当たればロープと鉤爪を出し、回せば壁の上に投げれば鉤爪が壁に食い込み、固定された
ロープを登り、壁の内側に入ればシロはさっさとその建物に入っていく
シロ
「…………………」
シロが中に入ればそこは教会であり、孤児院でもあった
無数の子供たちがこちらを見てる中、シロは目的の人物を見つければ近付いていく
シロ
「てめぇだな?
俺たちに手紙を書いたのは?」
シロは胸元に手を入れれば一つの便箋を彼女の足元に落とした
シロ
「俺達、海賊に助けを求めるとはどう言う訳だ?
賢者」
その彼女の顔には見覚えがあった
魔王を倒すために女勇者と共に旅をしていた女賢者がシロを見ればただ頭を下げた
そんな彼女の様子に違和感を感じ、シロはそっと彼女の顎に手をやり、上げさせ、じっと彼女の喉を見た
シロ
「…………………声帯を斬られたか」
シロがそう聞けば女賢者はコクリと頷いた
最初のコメントを投稿しよう!