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階段を駆け降り、下履きに履き変えず校舎を飛び出す。右、左と視線を走らせ笠原を探す。もう帰ったのだろうか?そう思いかけた視界の端に映る制服。
いた。
自転車置き場近くの自販機に凭れてペットボトルを目元に当てている。それに向かって大きく息を吸い込む。
「笠原っっ!!!」
叫んだ。その声に笠原はビクッと身を震わせきょろきょろと周囲を見渡す、そして、俺を見つける。大きく目を見開きそのまま……………………逃げた。
えぇーー……………
しばらくは状況が理解できず、呆然とした。しかし慌てて笠原の後を追いかける。
というか、逃げ足はやぁっ!流石陸上部、ってそんなん言ってる場合じゃない。
……ったくよー、こっちは30なんだから少しは手加減してくれ切実に、こんちくしょう。早々に上がる息に急かされながら足を動かした。
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