先生side2

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走って、走って、走って。 正直体力がもたない、足が縺れそうになりながら小さい背中を追いかける。今日は卒業式、この時を逃すともう気持ちを伝えることのできる日は無いかもしれない。それだけは避けたい。自分勝手だと分かっていても後悔する、絶対に。 笠原は一周回って校舎に入り、階段を上がっていく。階段を登る音を頼りに足を進める。へとへとになりながら登った先にあるのは屋上。 あー、あいつは煙と仲間のアレだったなそう言えば。なんちゃらと煙は高い所が好きだから。 「うはぁ、はぁ………あー、ゲホッ!やっと追いついたぞ、笠原。はぁ……」 ぜーはーと荒い息をつく。 「先生、あたしが言うのもなんだけど、大丈夫?」 無理だ。 30のおっさんに全力疾走させてんじゃねーよ、ってかお前が逃げたせいだよ、ほんとに、ちゃんと分かってんのか?あーもー息できねー。 心の中でグチグチ文句垂れながら息を整える。あーしんど。 さて。 屋上の端の方で片手にペットボトルを握り締め俯き立つ笠原へと近づく、一歩、二歩、三歩……….目の前に立ち俯く頭に手のひらを乗せ、そっと撫でてやる。 「笠原、お前返事聞かずに勝手に勘違いして出ていくんじゃねーよ。俺まだなんも言ってなかったじゃねーか」     
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