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先生side1
「さっすが先生、先生ならここに来てくれるって…………」
3-1の教室のドアを開けたさき、満面の笑みで迎えられた俺は迷わず回れ右をする。
「ちょちょっ!それはないでしょ!教え子の最後の晴れ姿だよ、ここはほらむぎゅーって抱きしめて可愛いねって言うところでしょ!」
「誰がやるか阿呆、勝手に妄想すんな」
「うわー教師が生徒に阿呆って言った!傷ついた、PTAに訴えてやる。まるちゃんのお母さん役員だったし」
「地味にありえそうなこと言わんでくれ、それよかお前、帰らないのか?」
今日は卒業式だった。多くの生徒が喜びと悲しみ、不安を胸にこの学校を去る。目の前の少女、笠原葵もその一人。皆が帰った後も残っていた理由はきっとアレだろう。
「最後まで諦めるつもりはないんだからね!先生、好き。先生の恋人になりたい。」
そう言った笠原は不敵に微笑む。
………………これだ。
俺の何に惹かれたのかは分からんが1年の3学期からこの少女は俺への告白を繰り返している。
「いつも言ってるだろ、お前はまぁまぁ美人だし俺みたいなおっさんよりいいのがたくさんいるだろう。」
「あたしが美人………………」
おいコラそこだけ拾うな。ってか照れるな。
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