プレゼント

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プレゼント

 花壇の掃除は僕の当番になっている。  教室の電気が苦手な僕のために担任の先生が特別に決めてくれた。一人で掃除していることが多いけれど、今日はチカがいた。教室の掃除をさぼったらしい。  この中学校の校風は緩やかだが、チカはそれでも 「あの人不良なんだって。」とささやかれるような恰好をしていた。  1年生なのに髪は金色だし、スカートは短い。化粧だって欠かさない。おまけにどこか薄汚れた感じがする。特に女子からは避けられていた。  でも僕はチカに会えてうれしい。 「やぁチカ。今日は草むしり手伝ってくれるの。」 自然に声も明るくなる。 「おう。タクト。今日は天気が良いからな。」 うつむいて雑草を抜くチカの低めの声が心地良合い。  僕は人とあまり話さない方なのだがチカは別だ。家が近いので、幼稚園ころから一緒だった。  ひ弱な僕にからんでくる乱暴者をおっぱらってくれ、ランドセルの重さにつぶれそうな背を押してくれた。僕にとってチカは面倒見が良いお姉さんのようだった。学年が上がるにつれ、一緒に過ごす時間は減ったが仕方がない。     
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