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「でもまあ、コンパクトだけどしっかりアンティーク調で、欲しくなるデザイン。手も伸ばしやすい。インテリアのためだけにコーヒーミルを買うって人もアンケートでいたくらいだし、需要はある。やってみようか」
「部長っ……本当ですか!?」
「うん。大量の色や形を準備する必要はないし、付属の消耗品も最小限で済むからね、挑戦しやすいよ。この企画、進めてみよう。」
「ありがとうございます!」
「何より、水野さんには桐谷くんがついてるでしょう? 彼がいるうちに思いっきり挑戦してみるといいよ。桐谷くん、一緒に進めてあげてね」
部長が桐谷さんに目配せをすると、桐谷さんは遠くで一礼していた。
そうか、先輩がついているから、皆私に安心して任せてくれるんだ。
部長にこんなに信頼されている先輩を誇らしく思うとともに、結局は先輩に虎の威を借りた形になってしまって不甲斐ないとも思うのだった。
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