ふたりきりの飲み会

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……あれ? もしかして、これって嫌がっている先輩を私が無理やり誘い出したことになるんじゃ……。 本当は迷惑だった……? 「教えてくれてありがとうございます浅見さん……」 『もう、あとで結果聞かせてよねー!』 私達の内線が終わると、ちょうどそのとき桐谷さんがどこからか戻ってきて、私の向かいのデスクに座った。 そこが先輩の定位置だから当然なんだけど、顔を合わせるのが申し訳なくて目の前のパソコンとだけ向き合った。 本当は今日出掛けること、どう思ってるのかな……? パチパチと会議の報告書をまとめていくけれど、たまにその向こうにある先輩の顔も視界に入り、ドキンと胸が鳴る。 「水野」 「はいいっ」 目の前のノートパソコンが手で少し倒されて、その向こうから先輩の顔がひょいと現れた。
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