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桐谷先輩は、厳しい人だ。
彼は数年の店舗経験ですぐに営業部、商品開発部と順に引き抜かれていった敏腕係長で、上司にも部下にも信頼されている。
それでいてこの爽やかで整ったルックスなのだから、当然、社内の女性社員の人気はべらぼうに高い。
聞くところによると本部にとどまらず、視察に行く店舗にも、彼のファンは多くいるらしい。
と、まあ。女性人気の話は置いておいて。
先輩が一番すごいのは、やはり仕事の腕である。
こうして側で仕事をさせてもらっていると、三つの年の差以上に途方もない実力の差を感じる。
憧れや尊敬ももちろん強いけど、それだけじゃなく、私は本当に先輩の役に立てているのか、そんなプレッシャーもあった。
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