三年後のお姫様

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「……また背、伸びた?」  斜め上に見上げると、見下ろされた。  私の身長は百五十四センチ。 「今は百七十ちょいかな」  いつ抜かされたのか覚えていない。 あんまり会えなかった高校の三年間──中学の三年間で追いつかれて、追い抜かされた。  手袋を忘れた手を丸くして息を吹きかける。 すると琥大が右の手袋を貸してくれた。 「いいの?」 「うん、片っぽずつ」  右利きの私、左利きの琥大。  手袋も大きい。 余る指先を見つつ思う。 琥大は前から優しい。 もっと甘えてもいい小さな時だって我儘も言わなかった。 どっちかというと私が小さい子みたい。 きっと学校でも変わらないんだろうななんて思った。 「……琥大、好きな子出来た?」 「え?」 「モテそうだなって」
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