2、赤いルージュ

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けれどもその彼女も、今では私と同じように彼から捨てられたのだと思うと、少しずつではあるが浄化されていく。 聡子には殊勝なことを言ってみたが、つまるところ私はまだ待っているのだ。 真実の愛がどうのと囁いた彼が、いずれまた私の前に姿を現わすのを。 そして私は彼に、同じように理不尽な「さよなら」を告げてやるのだと。 その日が来るのを、待っている。
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