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唇がやっと離れてーー息を整えながら
お互いの瞳の奥の熱を見つめ合った。
「杏樹…愛してる」
「…翔太さん…私も…
愛してます…」
上がった息。
キスで溶けた緊張感。
翔太は杏樹の手を引くと、ベッドに導いた。
「…優しくできなかったらごめん」
「…っ」
杏樹をベッドに横たえる翔太の手は優しい。
覆いかぶさられて、見下ろされ、杏樹はまた赤くなった。
「…できるだけ、抑えるけど…
久しぶりだし…
あれだけ焦がれた杏樹だし…もうこんな日は来ないと思ってたし」
「…しょ…翔太さん…
そんなこと言われたら…
私…っ…もう…心臓が…持たない…」
胸を押さえて真っ赤な杏樹が告げると、翔太の真剣な瞳がギラっと光った。
「…杏樹
好きだ」
低く告げると、翔太の唇が杏樹に落ちてくる。
「んぅ…」
逃がさないとばかりに深く絡む舌ーー
「杏樹…
好きだ…」
耳に
首筋に
翔太の激しいキスが落ちてくる。
ゾクゾクと痺れて杏樹の口から甘い吐息がこぼれる。
「…ん…」
逃げたくないのに
あまりの恥ずかしさと幸福感とに逃げ出したくなる。
無意識にカラダをよじると、翔太に拘束される。
膝の間に足を入れられ、腕を抑えられると杏樹は動けなかった。
「んっ…」
肌を這う舌。
乱れる夜着ーー
「…好きだ…
杏樹が、好きだ…」
熱い瞳に射貫かれてーー
杏樹はゾクゾクと昂って、涙を流した。
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