一方的な斬獲

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「ホースは十分長さがある。異端審問に行くぞ!乗れ島原!」 轟さんが曳く人力車が、恐ろしいスピードで動き出した。 洞窟の入り口に立つ見張りに向かって、島原は放水を開始した。これから、身もふたもない斬獲が始まる。島原は、故郷を滅ぼすための行動を開始していた。 洞窟内に悲鳴がこだましていた。勘解由小路の人力車が疾走している。そこに乗り込んだ島原が放水機を向けると、蛞蝓のような村人達が、悲鳴を上げて溶けていった。 「終末がやって来たぞ!粗布着た百姓共に灰をぶっかけてやろう!島原!撒き散らしてやれ!」 島原は何故かキレていた。ウィリアム・ホールデンじみた雄叫びを上げながら村人達を殺傷していく。 「雪次君!」 「降魔さん!」 女達がそれぞれ求めていた男の名を呼んだ。 「志保!無事か?!」 「おお諫早、バジリコックにも天敵がいたか。子供達は無事だな。良かった。島原降りろ!乗れ諫早!」 「生理的嫌悪がかくの如く肉体を支配するとは思いませんでした。胸に飛び込んで顔をスリスリしてもいいですか?いいですします。アーン怖かったあああああ!降魔さんしゅきしゅき大しゅき!」 「おう可愛いぞ諫早。あとで褒めてやろう。島原!親父達にぶっかけるなよ。親殺しは死刑だぞ」 「いつの話をしている!飛沫が飛びまくっている!親父大丈夫か?!」
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