一方的な斬獲

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村人鏖殺の事件の発生と聞いて、県警が大勢やって来ていた。 島原による説明がなされ、県警は怒り狂ったが、怪奇課の名前で全てが丸く収まりようもなかった。 「とりあえず納得したようだが、村人皆殺しにしたんだ。それなりの責任を負わねばならん」 「御前様のせいにすりゃよかっただろうが。隠れキリシタンだぞ?何でもいけるだろう。名状しがたきルシファーか何かが降臨した事にしろ」 「そんな嘘が吐けるか!もう遅い!」 「私としては母さんが無事でよかった。悪夢を見たようだ」 未だに恐怖で震える母親を抱いた島原父は言った。 「なあ、勘解由小路。俺が特異なのはいいとして、何故両親は塩で死ななかったんだ?」 「奇跡に説明はいらんだろう。曾祖父さんの信仰が身を結んだと考えろ。デウスはいたんだろうさ 。この地に。不具神であったヒルコの末裔のお前はある意味完全な肉体をもって生まれた。お前と融合する事がヒルコの大願だとしたら、神って奴は案外皮肉屋かも知れんぞ。ところで、マグダラのマリアはどうする?」 島原は、志保の前に立ち、跪いて右手をとった。そして、こう言った。 「俺は、おかしな血統に生まれたらしい。幸運ながら俺の体は頭が分離しない。
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