始まりの時 駆逐艦イーリス 抜錨

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稲穂 「それよりも明音 お前、今日は仕事だろ? そろそろ行かなくていいのかよ?」 明音 「まだ電車の時間には間に合うから大丈夫よ それに稲穂こそ、今日はレコーディングじゃないの?」 明音がジトーと稲穂を見れば稲穂はアハハ、と渇いた笑みを浮かべた 明音 「アンタ…………… また何かやらかしたの?」 稲穂 「やらかしてねぇよ ただ何か憂鬱なだけだ」 明音 「もー」 明音は呆れたように溜息を吐けば笑みを浮かべて稲穂の肩を叩いた 明音 「しっかりなさい 稲穂のピアノは素敵なんだからすぐに有名になるって」 稲穂 「全く、ってか地味に痛いんだが………」 稲穂は叩かれた肩を摩りながら苦笑いを浮かべれば明音は少し離れて振り返った 明音 「それにもし、稲穂が上手く行ったらさ………… 一緒に暮らしてもいいよ? 私は…………」 稲穂 「明音…………… 何だ? まだ幽霊が怖くて布団を濡らしてんのか?」 明音 「そ、そんな訳ないでしょ!? バカァ!!」 顔を真っ赤にして稲穂の背をポカポカ殴る明音の反応を見て稲穂は面白く思い、笑っていた
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