四十七日後

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 おっちゃんは週に二三度、迎えが来て部屋を出て行く。それ以外はずっとこの部屋にいる。飯も三食誰かに届けに来て貰い、トイレも部屋の中にある。 「なあ。おっちゃんはずっとここで生活してんのか?」 「そうだ」 「生まれた時からか?」 「そんなわけないだろ。まあ境遇は似ていたがな」 「これからもずっとここにいるのか?」 「そうだ。“その時”が来るまでな」 「その時? いつ来るんだ?」 「さあな」 「約束してないのか?」 「そうだな。具体的な日時は決まってない。だが、いつか必ずその時は来る」 「ふーん。早く来るといいな。まあオイラはいつまでもおっちゃんの相手をしててやってもいいんだけどな」 「……そりゃありがとよ」
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