ニ百八十九日後

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  「出席を取ります…………犬さん豚さん羊さんおっちゃんゾウさん!」 「ワンワンブーブーメェーメェーハーイパオーン! 出席を取る…………馬さん牛さんまぎわらし猿さん狐さん!」 「ヒヒーンモーモーハーイウキャウキャコンコン!」 「チッ……やるな」 「へへ、おっちゃんこそ。次は6連続だ。出席を取ります…………猿さん猫さんゾウさん牛さん鶏さんおっちゃん!」 「ウキャウキャニャーニャーパオーンモーモーコケコッ……ぐう!? 指、つった……!」 「やった! オイラの勝ちだーっ!」 「…………ッ……ル」 「ん? どうしたおっちゃん」  おっちゃんは何も言わなくなった。ただつった指をじっと見ている。指は小刻みに震えていた。 「そ、そんなに痛かったのか? 痛いの痛いの飛んでけしてやろうか?」  おっちゃんの顔つきがみるみる変わっていく。  あの時見た、何かに怯えた顔だ。 「……もう、とうに覚悟はできていたハズなんだがな。きっとお前と過ごすこの日々を、失いたくないのかもしれん。過去に散々失わせてきたってのに、図々しいな、俺は」 「おっちゃん……」  よくわからねぇが、きっとおっちゃんにも本当に待っているものがあって、それがやって来たらさよならしなくちゃならねぇんだ。  そしたらいずれオイラのことも忘れちまう。オイラと遊んだことも、話したことも、思い出も、全部……。
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