初日

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 しりとりの二回戦を始めようとしたその時、部屋の外から足音が聞こえ、扉からガチャッと音がした。 「おっ、誰か来たみたいだぞ」 「入浴の時間だ」  そう言っておっちゃんは「よっこらしょ」と立ち上がった。 「おっちゃん、毎日迎えが来るまでこの部屋で待ってるのか?」 「ああ、勝手にここを出ることはできないんでな。じゃあな、それなりに楽しかったぞ」  おっちゃんは迎えに来た人と一緒に部屋を出ていった。  勝手に出れないとか、迎えをちゃんと待ってるなんておっちゃん、優しいんだな。大抵の人間は待ちきれずに先に行っちゃうもんなんだけど。  気に入ったぜ。明日も退屈してたら遊んでやるとしようかな。
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