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「昼、一緒していいですか?」
「ソレは?」
「午後イチで即行あげます」
「ふーん……じゃあ、十二時に通用口で」
佳史が言うと、牧瀬は嬉しそうに頷いて、これ置いてきます! と廊下を走っていった。
「……なんなんだよ、あいつ……!」
なんでもないフリをしていたが、かなり驚いた。爽やか笑顔の王子様が、中年男上司に蹴られたいとか、そんなのどこの世界にいるっていうんだよ、と佳史はシャツの左胸をぎゅっと握りこんだ。心臓のドキドキは、牧瀬の背中が見えなくなっても落ち着くことはなかった。
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