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 村井は完全に牧瀬の言葉を同性に憧れる後輩の気持ちと捉えたようだが、佳史は公然に告白をされたような気分になって俯いてしまう。そんな佳史に、じゃあ行ってきますね、と爽やかに告げ、でも口元は少し意地悪っぽく笑みを浮かべて、牧瀬は佳史の傍を離れた。 「……ばかか、あいつは……」  佳史は速度を速める鼓動を抑えるように、大きく息を吐いて、目の前の仕事に戻った。
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