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「つーわけで、うちの牧瀬が午後イチで届けるから、俺に感謝しろ」  休憩室の窓辺に寄りかかって煙草の煙を吐き出した佳史は隣で同じように紫煙をくゆらせる原田を見上げて言った。 「そうか。じゃあ礼は牧瀬に言うよ」 「はあ? 俺だろ」 「お前、何にもしてないじゃん。資料見つけただけだろ」  飄々と言われ、佳史は不機嫌に煙草を消した。 「そうだよ。三課は牧瀬で廻ってるからな」 「あいつは優秀だよ。なんで三課にいるんだか」  言いながら原田は煙草を消して、ぐっと体を伸ばす。 「俺が仕事出来ないからじゃね?」 「お前は出来ないんじゃないの、しないだけ。元一課に仕事出来ない奴なんかいない」  原田は、ぽん、と佳史の頭を小突くと、そっと佳史の腕を持ち上げた。そのままワイシャツの袖を捲る。 「なっ、原田?」 「あー、もう十二時か。もうひと頑張りしてから昼かな」  佳史のしている時計を見て、原田はそんなふうにため息を吐く。佳史は腕を振り払い、びっくりさせんな、と怒った。 「時計見ただけだろ。何びくついてんの?」 「いや……なんか今他人に触られたくなくて」 「なんだそりゃ」 「なんでもいいだろ。さてと、十二時過ぎたから俺はもう行くわ」     
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