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プロローグ
夜空を見上げると、時折思い出すことがある。
小学生の冬休み、従兄弟と一緒に田舎にある祖父母の遊びに行っていたあの時のこと。
深夜零時家をこっそり抜け出して、冬の星空を見に行った。
凍えるほど寒かった。でもそれ以上に、息することも忘れるほど美しい星空だった。無数の星が、黒いはずの空を覆い尽くして。360度回ってみても光の粒しか見えない。空より面積をとってる星なんて東京では見たことがなかった。
三人で見た。
絶対に忘れられない、大事な一夜だった。
それなのに、従兄弟と……もうひとり一緒にいたあの子は誰だったのか、今も思い出せずにいる。
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